丘の上に月が昇る・続

◆イタリアSF友の会◆

イタリアのSF関連

Il giorno in cui vinsi la guerra del passato

ダヴィデ・デル・ポーポロ・リオーロの短篇「私が過去の戦争に勝った日」(2021年)の紹介。 Davide del Popolo Riolo「Il giorno in cui vinsi la guerra del passato」(『Temponauti』(Urania Millemondi 90, Mondadori)掲載) 2014年に歴史改変古代ロ…

Eclissi 2000

リーノ・アルダーニ(Lino Aldani)の長篇第2作『Eclissi 2000(エクリプス2000)』(1979年)の紹介。最初の版は古本屋を探すしかないが、Perseo社から出ているアルダーニ著作集の『Aria di Roma andalusa』(2003年)に収録されているので入手はたやすい…

トナーニ短篇集の表紙

文学フリマ札幌で頒布する、ダリオ・トナーニ(Dario Tonani)短篇集『明日は別の世界』の表紙を作りました。表紙イラストは、『モンド9』表紙を手がけたフランコ・ブランビッラ(Franco Brambilla)さんです。文字サイズ等、まだ多少修正するかもしれませ…

ダリオ・トナーニ短篇集収録作

ダリオ・トナーニ短篇集『明日は別の世界』(仮)の収録作を簡単に紹介しておきます。各タイトルはまだ仮のものです。 「赤い海泡石」(Schiuma rossa) 2013年ロボット賞受賞作(雑誌『Robot』が毎年公募しているSF短篇賞。プロ・アマ、誰でも参加できる)…

当選

7月23日開催の文学フリマ札幌の出店の抽選が行なわれましたが、「イタリアSF友の会」は運よく当選し、参加できることになりました。というわけで、改めて告知。頒布予定の同人誌は、今のところ以下の通りです。 ■ダリオ・トナーニ短篇集『明日は別の世界』…

イラストコンテスト

イタリアで、Mondo9のイラストコンテストがある模様です。主催はVaporosaMente、スチームパンクのイベント団体で、著者のDario Tonani氏とイラストレーターのFranco Brambilla氏が協力しています。題材は1)船部門、2)登場人物、クリーチャー部門、3)環…

イベント

もう少し先の話ですが、7月23日の「文学フリマ札幌」に、個人サークル「イタリアSF友の会」として参加予定です。著者の協力を得て、翻訳同人誌「ダリオ・トナーニ短篇集」を頒布予定(小部数ですので、オンデマンド印刷です)。収録作品は「Schiuma rossa…

ネット上で読めるDario Tonaniの短篇

インターネット上で、ダリオ・トナーニ(Dario Tonani)のショートショートや短めの短篇がいくつか無料で読めますので、簡単にまとめておきます。 ■Soldato Jordan(兵士ジョーダン) http://www.fantascienza.com/13991/soldato-jordan 1979年刊行のDan Dasti…

Future Fiction

イタリアのSF作家で編集者のフランチェスコ・ヴェルソ(Francesco Verso)がイタリアのRai4チャンネルのTV番組「Wonderland」で語るFuture Fiction(未来の物語)。彼は叢書〈Future Ficton〉のディレクターで、世界の未来SF短篇のイタリア語訳を電子…

ダリオ・トナーニインタビュー訳

『Delos Science Fiction』173号に掲載された〈ダリオ・トナーニインタビュー〉の全訳を掲載します(ダリオにはOKをもらっています)。抄訳にしようと思いましたが、結局全訳してしまいました。このインタビューは、Mondo9の2シリーズの合本版『Cronache …

delos173

イタリアのDelosBooks社が発行するSF情報誌『Delos』173号で、8月にイタリアで刊行される『Cronache di Mondo9』の特集が組まれています(『Delos』はWeb版は無料、Pdf版は会員のみ無料、紙版は有料)。著者ダリオ・トナーニ(Dario Tonani)と、Mondo9の…

『Livido』冒頭部試訳

たびたび紹介しています、イタリアのSF作家フランチェスコ・ヴェルソ(Francesco Verso)の長編小説『Livido』(2013年)。左の画像がイタリア語版の表紙で、右が英訳版の表紙。サイバーパンク仕立ての奇妙な愛の物語。 以前、著者に頼まれて、日本向けプ…

ヨーロッパSF賞ノミネート発表

ヨーロッパSF情報サイトEuropa SFによれば、European Science Fiction Society(ヨーロッパSF協会)による2014年のヨーロッパSF賞の候補者が決まりました。詳しいリストはEuropaSFのページに掲載されていますが、イタリア関連では、Best AutherにDario…

『Livid』(『Livido』英訳版)

以前このブログでも取り上げたことがありますが、イタリアのSF作家Francesco Verso(フランチェスコ・ヴェルソ)の長篇『Livido』がついに英訳され、オーストラリアのSF専門出版社から電子書籍として出版されました(英語版タイトルは『Livid』)。21世…

Premio Vegetti

2014年のヴェジェッティ賞(Premio Vegetti)の候補作は、以前本ブログでも取り上げましたが(→こちら)、受賞作はレナート・ペストリニエロ(Renato Pestriniero) の『La pietra dell’alchimista(錬金術師の石)』 (Ed. Solfanelli 2013)に決まりました。…

短評

5月18日の北海道新聞のブックガイドコーナー「本の森」の新刊短評欄に『モンド9』の短評が掲載されました。ネットでも見ることができます(→リンク)。

イタリア賞 追加

ヨーロッパSFのサイト「EUROPA SF」にイタリア賞の記事が載っています。英語です(→リンク)。各賞の受賞作が画像付きで紹介されています。 以下、2014年のイタリア賞受賞リストを掲載しておきます。 個人長篇作品または個人短篇集部門(SF):Livido, F…

future fiction

今年のイタリア賞国内長篇SF部門は予想通りにFrancesco Verso の『Livido』が受賞。カシオペア賞も受賞し、まさに今年の注目作です。邦訳も期待したいところですが、どこか出してくれないでしょうか。自分で訳せたら嬉しいけれども、そうでなくても邦訳が…

イタリア賞

昨日(25日)までイタリア、ベッラーリアで開催されていたイタリアSF大会Itaconで、ダリオ・トナーニ(Dario Tonani)「Mechardionica」がイタリア賞の国内短篇部門を受賞したそうです。これはMondo9新シリーズ連作の第一作です。ちなみに国内長篇部門はフラ…

Premio Vegetti

イタリアのSF関係者の組織World Sf Italia(日本SF作家クラブのようなもの)が主催する第3回Vegetti賞の最終候補作品が発表されました(2012年から2013年の2年間のベスト作品候補作)。以下の通りです。 ■小説部門 Gianni Montanari, Ismaele, Elara 2…

ダリオ・トナーニ特設ページ

2月22日の『モンド9』刊行を記念して、ダリオ・トナーニ(Dario Tonani)&『モンド9』(Mondo9)の特設ページを作りました(といっても、お手軽にブログ形式のサイトです)。現在、まだコンテンツは少ないですが、そのうちにメールインタビューや本編冒頭…

イタリアSFに関する日本語の資料(2)

日本語で読めるイタリアSFの資料として、たぶんこれが質、量ともに一番充実しています。『小松左京マガジン』第28巻。2007年の日本開催のワールドSFコン記念「小松左京vsヴィットリオ・カターニ(Vittorio Catani)」誌上対談が掲載されています。聞き役・…

"Mondo9" sbarcherà in Giappone

イタリアのSF作家ダリオ・トナーニ(Dario Tonani)のオフィシャルサイトにこのような記事が。 (→リンク) この記事(タイトル「『Mondo9』日本上陸予定」)には、彼のスチームパンクSF『Mondo9』の日本語版出版の契約に至る過程が簡潔に書かれていて、そ…

robot 69

先日届いたイタリアの季刊SF雑誌『Robot』69号。故Giuseppe Pederialiに関する論考&短編再掲などが読みどころだけれど、Dario Tonani『mondo9』の広告ページのあおり文句の一番下、新たに一文がさらりと付け加わっていると思ったら……、「~già acquistato…

あとがき補足

拙訳『時鐘の翼』が7月31日に発行されますが、訳者あとがきを書いたのは去年の夏頃ですので、著者情報が少し古くなっています(その後新刊『Maledetta vecchia signora』(2013年)が刊行)。以下ルカ・マサーリ長編作品をリストにまとめておきます(3は短…

Premio Urania 2012-2013

SF雑誌『Urania』の公式ブログによると(→リンク)、今年のUrania賞の受賞作がPiero Schiavo Campo『L’uomo a un grado kelvin』に決定したそうです。 この作品は『Urania』1600号として発行される予定。 本作も含めて、最終選考にノミネートされた作品は…

イタリアSFに関する日本語の資料(1)

イタリアにおけるSFの状況を知ることのできる日本語の資料はなかなかないのですが、そのわずかなものを取り上げてみます。 まずは雑誌『Alia』に掲載された「Sul fil di fumo del «fantastico»」(Vittorio Catani)の抄訳です。原文は『Alia』第1号に掲載…

Premio Italia

5月23-26日に開催された第27回「Sticcon」(スタートレックコンヴェンション)内で、イタリアSF関連賞であるイタリア賞とヴェジェッティ賞が発表されました。 【イタリア賞 Premio Italia】 SF小説部門:Dario Tonani『Mondo9』(DelosBooks) ファンタジ…

Giuseppe Pederiali

イタリアの作家ジュゼッペ・ペデリアーリ(Giuseppe Pederiali)氏が3月3日に亡くなられたそうです(交通事故が原因のよう)。邦訳はミステリーの『霧に消えた約束』くらいしかありませんが、いろいろなジャンルの小説を書いていた作家で、『Le porte del …

premio vegetti 2013

イタリアのSF関連の賞のひとつ、2013年度ヴェジェッティ賞のノミネート作品が発表になりました。昨年から始まったこの賞は、この2年間に刊行された作品の中から、SF作家の協会であるWorldSF Italiaの選考員によって選ばれます。 ノミネート作品は以下の通り…